駐在員雑感(第35回)「ちまき」

今年は、6月19日が「端午節」です。日本で端午の節句といえば、5月5日ですが、中国は旧暦(農暦)なので、今年は6月19日が旧暦の5月5日にあたるのです。この時期、中国では「ちまき」を食べる習慣があり、市内のスーパーなどでは、「ちまき」がたくさん売られています。
なぜ「端午節」に中国では「ちまき」を食べるのでしょうか?
簡単に紹介したいと思います。(諸説あるようですが、そのひとつを紹介しました。)

春秋時代楚の国に「屈原」という国を深く愛する詩人がいました。紀元前278年秦が楚の国を侵略した時、彼は祖国が侵略されたのを非常に悲しみ、ついには河に身を投げて死でしまいました。これを見た漁民たちは、屈原の死をいたみ、屈原が河で安らかに眠ることができるように、また、魚が屈原の屍を食べなくてすむようにと、おにぎりや卵などの食べ物や紹興酒を河に入れ、屈原の冥福を祈ったそうです。
その後、おにぎりや卵などをそのまま河に入れると、魚がすぐにそれらを食べてなくなってしまい、屈原の屍を食べてしまうのではと考え、おにぎりなどを笹の葉に包んで、紐で縛り、すぐには食べられないようにして、河に投げこむようになったそうです。その屈原が河に身を投げた日、つまり彼の命日が旧暦の5月5日で、毎年この日に、愛国詩人屈原を偲んで、笹の葉で包んだ「ちまき」を食べ、紹興酒を飲むようになったそうです。

さて、上海市から南へ約1時間弱のところに位置する浙江省嘉興市は、「ちまき」で有名なところです。上海と杭州を結ぶ高速道路の嘉興ドライブインでは、「ちまき」を買って食べている人がたくさんいます。1個3元(日本円で50円程度)から4元程度で買うことができます。
なぜ、嘉興の「ちまき」が有名なのか?これは1920年代に遡ります。
張錦泉という人が、嘉興市の街門で露天の「ちまき」販売を創めたそうです。その後「五芳齋」という名前で店を構え、日々のたゆまぬ研究により、この店の「ちまき」が評判となり、この地区に同じような「ちまき」販売店がたくさんでき、嘉興の「ちまき」「五芳齋のちまき」が有名になったようです。
なんとなく、喜多方市のラーメンに似ていますね。

また、上海市郊外に朱家角という古きよき江南の風景がのこる場所があります。狭い通りには多くの店がひしめいていますが、先日訪れた時は、やはり端午節を前に「ちまき」を売っている店が非常に忙しそうでした。ここの「ちまき」は、おばあちゃんがひとつひとつ丁寧にというか、手際よく、手作りしています。衛生的かといわれれば疑問がありますが、非常に美味しそうでした。
かつては各家庭で手作りしていた「ちまき」ですが、現在は非常に少ないと聞きました。それを思うと朱家角のあのおばあちゃんの「手作りちまき」は貴重品なのかもしれません。
味おんちの私にとっては、コンビ二で一年中売っている「豚肉ちまき」(1個3元)も捨てたものではないと感じましたが・・・・。

2007年6月19日       
福島県上海事務所 安達和久
 

chimaki.JPGのサムネール画像

 

上海市郊外の観光地「朱家角」のちまき屋のおばさん