駐在員雑感(第32回)「桜と青少年の交流」

上海にまた桜の季節が来ました。今年は、たいへん美しい桜の花をみることができました。その場所は、上海市甘泉外国語中学。
この学校は、毎年桜の咲くこの時期に学園祭である「桜祭り」を開催し、多くの日本関係者を招待してくれます。
実は、福島県の教育委員会は、同校と相互交流の協定を2004年10月に締結しており、その関係で、今年も私が「桜祭り」に招待されました。
美しい桜が咲くこの学校には、上海の他の学校とは一味違った特徴があります。それは、「日本語」を中心とした多言語教育を行っているという点です。
甘泉外国語中学は、中高一貫教育で、日本で言う中学1年生から高校3年生までが一緒に勉強しています。総生徒数は中、高合わせて約2,000名、日本語学科の生徒が約1,000名となんと半数が日本語を勉強しており、日本人の留学生も50名程度学んでおります。日本語教育にこれほどまで熱心に取組んでいる学校はここだけではないでしょうか。

甘泉外国語中学の校門をくぐると、立派な桜の木が私を迎えてくれました。なんだか日本で桜を見ているような懐かしい気持ちになりました。これまで見た上海の桜の中では一番うつくしいと感じました。
この「桜祭り」は、今年で8回目を迎えるそうですが、毎年様々な活動が行われているようです。今年の主な出し物は、日本語や英語による歌や踊り、そして日本語による寸劇でした。どれも生徒たちの手作りではありますが、生徒たちの日本語のレベルは、学んで日が浅いとはとても思えないほど非常に高く感心してしまいました。
中学生から、日本語やその他の外国語を学ぶことができる環境が、これほどまで整っていることは、たいへんすばらしいことと実感しました。

「桜祭り」に参加して、今回改めて認識したことに、青少年交流の大切さがあります。学園祭当日は、姉妹校である大阪府の勝山中学の先生と生徒3名も招待され、甘泉中学の生徒と交流をしておりました。これらの交流を通して、この学校の卒業生は、将来、日本や日本文化のよき理解者となり、日系企業や中国政府の日本部門など外国との交流、交渉の窓口となる業務に従事する人材として、成長してゆくことでしょう。
この子供たちがしっかりと日本語や日本文化を学べるように、上海にいる日本人の私たちも大いに協力すべきではと感じました。
そして、このような異文化交流、異文化理解のための勉強を始めるのは、できるだけ早い時期がよいのではとも思いました。
将来を担う子供たちは、常に未来志向であるべきです。幸い今年2007年は、日中国交回復35周年であり、「日中文化スポーツ交流年」でもあります。修学旅行などによる青少年の相互交流など、若いうちから交流できるようなきっかけを作ることが、親や大人の役割ではないでしょうか。
 「桜祭り」の帰り道、美しい桜を見ながら、生徒たちが異国の文化を理解し、日本に対してもよき理解者となってくれることを祈りつつ美しい桜の庭を後にしました。

2007年4月10日                                                             福島県上海事務所 安達和久

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