駐在員雑感(第31回)「5つ星」

今年は、新年(旧暦の新年)早々いいことがありました。2月末にめったに乗ることができない「5つ星」のタクシーに乗ることができたのです。
上海市内には、約4.5万台のタクシーがあり、そのうち「5つ星」のタクシードライバーは50人程度だと聞きます。乗ることができる確率は、なんと1/1000。本当に運がいい。今年はきっといいことがあるかもしれないとうれしくなりました。

ご存知の方も多いと思いますが、上海のタクシー運転手には、格付けがあります。
星なしから5つ星まであり、この格付けは、タクシーの助手席に設置されている「サービスカード」といわれる運転手の写真入の番号プレートに表示されております。

0703085つ星(写真).JPG

この制度は、2001年から「上海市タクシー星級運転手管理規定」に基づき実施されていますが、簡単な区分は以下のとおりです。
「星なし」:経験年数1年未満の新人運転手。
「1つ星」:経験年数1年を満たした運転手。
「2つ星」:経験年数1年以上で、かつ上海市の「タクシーサービス規範」(下記参照)を履行できる運転手。
「3つ星以上」:業務能力が高く、サービスの品質が高い運転手。

3つ星、4つ星、5つ星の区分は、毎年実施される試験の点数などにより決定されます。この試験の内容は、実務試験(サービスの品質、運転技能、交通法律の遵守、車両清潔状態の維持、修理知識など)、文化試験(英会話、観光ガイドなど)があり、この試験の点数のほかに、経験年数と表彰状況などが加味され、3つ星から5つ星までが決定するようです。
経験年数が15年以上の運転手には英会話の試験が免除され、また、サービスが著しく優秀で国家、市クラスの名誉称号を取得した運転手は、試験を受けずにワンランクアップするそうです。(この辺の基準は少々曖昧ですね。)
昇格があるのだから、降格もあります。
1年以内に「タクシーサービス規範」に違反し、2回以上罰金が課された場合などはワンランクダウン。また、重大な人身事故(軽傷)を起こした場合や、営業停止処分を2回以上受けた場合などは、星の取消しとなるそうです。
星の区分は上記のとおりですが、実際にタクシーに乗り、運転手に運転暦などを聞いてみると、星の数と経験年数は必ずしも一致しないようです。1年以上経っても星なしの人がたくさんいたり、星などいらないと考えている人もいました。いずれにせよ、星を取るのは難しいらしく、やはり3つ星以上の運転手はすばらしいと言えそうです。

私が乗った「5つ星」タクシーの運転手は、経験年数22年と言っておりました。
英語は話せないそうですが、経験年数が15年以上なので試験免除なのでしょう。とにかく丁寧、安全、社内は美しく、まさしく「5つ星」タクシーでした。
乗車した際に、彼のサービスカードの番号が非常に若かったのが印象的でした。
このサービスカードの6桁の数字で、おおよそ、その人の経験年数は予想できます。
彼の番号は、はじめの2桁が「00」でした(写真参照)。星なしの運転手など経験年数が少ない運転手の番号は「27」で始まる番号もあります。いかに彼の経験が長いかが伺われます。
この「サービスカードの番号」と「タクシーサービス規範」を照らし合わせて、もし、運転手の番号が若いのに、「1つ星」の場合などは、下記の規範を遵守することができない運転手なので、サービスが悪いと文句を言っても始まらないとあきらめたほうがよいのだと改めて認識しました。
今回もタクシーに関する掲載になってしまいすみませんでした。

「タクシーサービス規範」(摘要)

  • 車両が清潔であること
  • メーター表とエアコンが良好である。
  • サービスカードとナンバープレートが明確である。
  • 企業名称、監督電話などがはっきりしている。
  • 服装が清潔で礼儀良く、車内でタバコをすわない。
  • 客の乗車降車の際には、交通規定に従い、指定の場所で停車し乗降させる。
  • 合理的な路線或いは乗客の指定する路線に従い運転する。
  • メーター表を正しく使用し、領収書を自ら乗客に渡す。
  • 「空車」ランプが点灯しているときには必ず乗客を乗せ、距離の遠近を選ばない。
  • 乗客を乗せている途中、正当な理由がない限りサービスを中止しない。
2007年3月8日
福島県上海事務所 安達和久