駐在員雑感(第29回) 「手荷物」

中国の国内の移動で飛行に乗ると、いつも感じること、理解できないことがある。
それは、中国人の手荷物の多さである。特に中型のスーツケースのような荷物やダンボール入りの得体の知れない荷物が、決まって手荷物として機内に持ち込まれる。
ちなみに、中国系の航空会社の規定では、機内持ち込み手荷物は、身の回り品(ハンドバックなど)のほか1個で、その大きさは、縦、横、高さが56㎝、45cm、25㎝以内でかつ、縦横高さの長さの合計が115㎝を超えないことと規定されている。(エコノミークラス)
それなのに、なぜたくさんの、しかも大きな荷物を手荷物にするのか?私はいつもこれらの行為を見ながら「心の中で」彼らに文句を言っていた。
いろいろ聞いてみると、荷物を預けると、なくなったり、壊れたりすることが多いので預けない、預け荷物が出てくるのを待っている時間がもったいない、などいろいろ理由はあるようだが、私には、自分のことしか考えていないと感じられ、未だに理解できない。
先日も、出張のため乗った国内線で以下のような光景に遭遇した。
その飛行機は、ほぼ満席であったが、私は運よく早めに飛行機に搭乗でき、座って乗り込んでくる人たちを見ていた。すると、後から後から中国人と思われる人たちが、大きな荷物(中型のスーツケースのような荷物)を持って、機内に入ってきた。彼らは、上の棚の空いているところに、手荷物を手当たり次第押し込み、自分の座席付近にスペースが足りなくなると、別の場所の空いているスペースを探し、小さいスペースに無理やり荷物を押しこんでいた。また、ある人は、荷物が大きすぎて入らなかのか、乗務員に話をして後ろの方に荷物を運んでもらっていた。当然それらの人が荷物を入れている間は、通路がブロックされ、後ろから来る人たちはなかなか搭乗出来ずに、通路は大渋滞である。一人が終わるとまた、大きな荷物を持った人が同じような行為をする。確かに、大切な荷物でどうしても機内持込み手荷物にしたいという場合もあることは認めるが、しかしどうしても私には理解できない行為であった。

その時、ある外国人(多分アメリカ人)が乗務員に向かって、大きな声で文句を言った。
「なぜ、このような大きな荷物の機内持ち込みを許可するのだ。こんな大きな荷物は預けるべきだろう。手荷物として許可するから、棚がすぐにいっぱいになり、置く場所がなくなってしまうし、乗客も大渋滞して、出発時間も遅くなるのだ。俺の言っている意味がわかるか?わからない時は、直接責任者に言うぞ」(というような内容だったと思う。ちなみに英語だったので正確にはわからない。)乗務員は、何も言わずに文句を聞いていただけであった。
私はこの人に対して、心の中で拍手を送った。まったくそのとおりである。私だけがこの手荷物の多さについて、「異常」と感じていたのではない。別の人も同じことを考えている。私の考えが、まったくの的外れではないと感じ、ほっとしたのであった。
(断っておくが、私はこの時、小さなスーツケースを預け荷物にし、機内持ち込みは小さなビジネスバックのみにした。) これから春節が近くなる。お土産をたくさん抱えた人たちが飛行機に乗ることが予想される。私としては、国内線にはあまり乗りたくない季節である。
もっとも多くの出稼ぎ労働者は、電車やバスで故郷に帰ので、飛行機を使う人は少ないかもしれないが・・・・・・・。

2007年1月25日
福島県上海事務所 安達和久