駐在員雑感(第2回) 「マンションの価格」

車窓からみる上海市内の風景は、以前にもましてマンションやオフィスビルの建設が多くなっているように思われる。それも、最近は郊外でのマンション建設が増えているようだ。私は常々本当に売れるのかと疑問に思っている。これらマンションの価格は、場所によっても違うが、8,000元/平米~10,000元/平米が相場である。もちろん郊外へ行けば安くなるし、中心地では20,000元/平米を超えるところもあると聞く。これらの住宅を上海の一般市民はどうやって買うのだろうか。

上海の2003年の平均年収は22,160元(上海市国民経済と社会発展統計公報より)であり、たとえば100平米のマンションの価格は、100万元(1,400万円,1元=14円で換算)で年収の45年分である。さらに、こちらの住宅は内装関係の費用は自己負担であり、40万元から50万元程度の費用がかかる。

もちろん、22,160元というのはあくまで平均であり、大学卒(新卒)の外資企業で働くホワイトカラーの年収は約36,000元(約3,000元/月)、ITエンジニアは約180,000元~200,000元(15,000元/月~16,700元)、さらには、年収200,000元を超える人もいるという。これならば、年収の5倍ということで十分マンションは買える事となる。

それから忘れていけないことは、中国は共稼ぎが当たり前であり、1家庭の収入として考えた場合、夫が年収20,000元、妻が20,000元であれば合計40,000元の収入となり、家庭単位で考えれば、それなりの金額になるということである。
年間夫妻がそれぞれ100,000元稼ぎ、合計年収が200,000元のある家庭であれば、年収の5倍~6倍程度で100万元程度のマンションが買える事となる。
しかしこれだけ稼げる家庭はまだ少ないと思われる。

さらに秘密がある。上海では本業のほかに副業やアルバイトを行っている人が多い。
たとえば学校の教師。通常の授業のほかに休日の土日は自宅に生徒を呼んでの課外授業(日本で言えば学習塾のようなもの)のようなことを行う教師もいると聞く。
高校の場合は、1人2時間50元程度。5人程度の生徒を自宅に呼び2時間の授業を行った場合250元。この授業を週末1日3組行えば合計750元であり、月収3,000元程度(750元×4回/月)の副収入となる。

これら、共稼ぎ、副業収入等も入れれば、高額なマンションにも手が届くのかも知れない。

このように、統計上は年収22,160元となっているが、その実態はまったくわからず、それなりの金額を上海の労働者は稼ぎ出し、豊かな生活を送っていると考えられる。
日増しに多くなるマンション群を見ながら、富裕層が増加していく上海と今後どのように付き合ってゆくべきか改めて考える必要がることを痛感している。

 

gubeimansion.JPG2004年11月1日
福島県上海事務所 安達和久