中国との経済交流入門 ~買物で体験する中国との経済交流~

上海事務所の正式オープンから3ヶ月がたちましたが、福島県内からも企業や県、市町村関係の訪問団など多くの方々が事務所を訪れています。今年8月には福島~上海便の1ヶ月あたりの利用者が1999年(平成11年)の路線開設以来最多の2369人を記録し、搭乗率も今年9月の平均が83.6%に達するなど、福島と上海の人の往来がますます盛んになっているように感じます。

さて、事務所の主な活動目的である「日中間の経済交流」は、口で言うのは簡単ですが、実際には商習慣のちがい等から様々な問題が発生することが多々あります。この日中間の商習慣の違いは、観光で訪れる多くの方々にも、買物という形で容易に体験していただくことができます。そこで今回は、私が「上海での買物」で経験した実例をいくつかご紹介し、皆様の参考としてお役に立てていただければと思います。

(1)可能な限り相場を調べ、値引きをしよう

先日、日本人観光客向けの土産物屋をのぞいてみたところ、スーパーやデパートでは40元(約560円)前後の8年ものの紹興酒が160元(約2240円)で売られており、高すぎると店員に話したところ、「客からリクエストがあれば」値引きに応じてもよいとの答えが返ってきました。骨董品街では、はじめに1200元(16800円)の値がついていた時計が、交渉の結果270元(3780円)まで下がりました。中国では「貨比三家(買物をする前に3つの店を比較する)」という諺があるように、相場を調べ競争させながら価格交渉をするのは当たり前。時間や場所が限られた観光ツアーの場合、限界はあると思いますが、特に外国人相手の土産物屋では上記のような価格差があることを前提に、大胆な価格交渉をすることが大切です。

(2)お金を払う前に、手間と労力を惜しまずしっかりと品質を確認しよう

デパートでお土産用のお菓子を購入しようとしたら賞味期限切れだったり、携帯電話を買うときに念のためにと通話のチェックをしたら不良品が見つかったりといったことは日常茶飯事です。しかも、一度お金を払ってしまうと、商品の交換や返品は至難の業です。後悔しないためにも、中国での買物にあたっては自分の手にとって自分の目で1つ1つ品質を確認してから購入することが大切です。

(3)自分のペースで考えて納得できないことはその場で主張し解決しよう

中国人は買物に限らず交渉において常に自分のペースに話を持ち込もうとします。ある日、コンビニでお弁当を買い、電子レンジで温めてもらっていたところ、弁当についていた具材の袋が爆発。しかし店員は「袋がやぶれてちょっと量は減っちゃったけど問題はないでしょ」といってそのまま袋につめて売りつけようとしてきます。なぜならこのような場合、店員が自腹で弁償しなければならないからです。しかし、ここで相手のペースに乗ってはいけません。この時は、店員に、こちらには一切の過失がないこと、また袋が破れて具材が飛び散った時点で商品価値がないことという当たり前のことを説明し、返品させました。

品質と価格相場が安定している日本の買物に比べ、中国の買物では気力、体力、観察力、交渉力、忍耐力など、より多くのエネルギーが必要になります。買物という身近な話ではありましたが、今後、皆様が上海にお越しの時に、このような買物事情を予備知識としてお持ちいただき、買物を楽しみながら、経済交流の一端を体験していただけると幸いです。

2004年10月25日
福島県上海事務所 大島 康範