新たな巨大市場への挑戦

おかげさまで上海事務所は7月23日に無事オープンすることができました。
多くの方々にご協力をいただきましたことを心から感謝申し上げます。

さて、私はこれから上海事務所において各種福島県の産業振興・地域振興のための活動をしてゆくうえで、今なぜ上海事務所が必要なのかを改めて考えてみました。
キーワードは「新たな巨大市場の誕生」だと思います。

私は、97年から99年までジェトロ上海に勤務しておりました。当時を振り返ると中国を「市場」として捉える土壌はまだほんのわずかでした。
中国は国内産業の保護、不透明な法律制度、代金回収の困難さ等問題が山済みで、国内販売は大変厳しいものでありました。もっぱら、安い人件費をフルに活用し、原材料を輸入し組立て加工を行い、製品を日本、欧米に輸出するという組立て加工の基地としての存在でした。

しかし、中国のWTO加盟後外国企業の投資の増加、外国人居住者の増加(特に日本人は、約2.5万人が領事館に届出していますが、実際には約5万人が生活しているともいわれています。)、中国人の所得水準の上昇(上海の1人あたりのGDPは5000ドルを超えました。)等により、「組立て加工基地」から「大きな市場」へと変化してきているのです。現に、進出日系企業においても内販型企業(製品を輸出するよりも、中国国内で販売する割合が高い企業)が約4割にまで増えていると聞きます。
つまり、上海周辺は「新たな巨大市場」としてまさに今走り出したのです。

この新たな巨大市場の恩恵を一番享受できる国は、言うまでもなく地理的優位性を持つ日本なのです。欧米諸国に比べて日本は地政学的にも文化的にも大変な優位性を持っています。しかも、福島県はこの巨大市場にわずか2時間半で直接アクセスできる「福島空港」という優れた道具も持っています。
もはや、福島県経済の延長線上に上海があると考えてもいいと思います。

これまで、福島県は東京に近いが売りでしたが、これからは、「東京に近い」+「上海に近い」が売りになるのです。県産品の販売促進、観光客の誘致等についても首都圏+上海市とその周辺江蘇省、浙江省の1億3千万人が対象となるのです。

もちろん、中国でのビジネスには大きなリスクがあることは言うまでもありません。

しかし、まず一歩踏み出してみること、挑戦し続けることが大切ではないでしょうか。
中国は大きな市場であるとともに強力は競争相手でもあります。常に日本側、福島県側が進歩し続けないと、あっという間に追いつき追い越されてしまいます。
まずは、失敗を恐れずに「一歩前へ」です。この巨大消費市場が、どれくらいうまみがあるのかまずはアクセスしてみましょう。その時期がいよいよ到来したのです。

皆様、一度是非上海においで下さい。そしてこの巨大市場を直に体験してください。
必ずや心の中になんからの変化を感じることが出来るはずです。

2004年9月19日
福島県上海事務所 安達和久