2005年国慶節に見る「中国の連休経済」

中国の3大ゴールデンウィークのひとつ国慶節の連休(10月1日~7日)が終わった。中国にはもともと春節(旧正月)以外は長期休暇がなかったが、アジア通貨・金融危機で低迷した景気の失速を食い止め、内需を拡大するため、1999年に当時の朱鎔基首相が、これまでの休日を長期休暇とする形で、あらたに労働節連休(5月1日~7日)と国慶節連休をつくった。中国の休日は、3大ゴールデンウィーク以外は、元旦(1月1日)しかないことから、連休になると、観光・レジャーに伴う消費が急増し、また、街でもさまざまな販促活動が行われることから、一大消費期間となっている。

増える家でのんびり派、旅行は連休を避ける方向に

解放日報の記事によると、北京、上海、広州の市民に、「国慶節の過ごし方」についてアンケート調査(複数回答可)を行ったところ、「テレビを見る」がトップで、昨年の37.8%から62.2%に急増している。一方で「旅行」の割合が、3都市の平均で、昨年の31.3%から28.8%に減少、特に上海では、昨年は45.3%だったものが、35.3%に減少している。その理由として、約7割が「連休中は観光地が混雑すること」を挙げ、約3割が「連休中のピークを避け連休前もしくは連休後に時期をずらす」と回答している。

中国では、近年、中国では都市部、沿海部に住む国民が豊かになり、海外旅行を含む観光旅行をごく普通に楽しめるようになっている。連休が始まった1999年の国慶節連休には中国全土で観光に出かけた人は2800万人だったのに対し、2005年は1億1000万人と約4倍にまで増加した。しかし、中国の1年間の観光収入のうち4分の1が3大ゴールデンウィーク期間中のものという過剰な集中が、各観光地で受け入れ体制が整わないほどの飽和状態を生み出し、そのためサービスの質が低下するばかりか、ホテルの宿泊料、観光地の入場料などの便乗値上げも往々にして行われている。

実際に、上海や浙江省で訪日旅行を取り扱う担当者に話を聞いたところ、日本への観光旅行についても、連休中は航空券が高騰し席の確保が難しいため、国慶節中の客数が減り、前後に分散する傾向にあるそうだ。浙江省のある旅行会社の場合、10月の訪日観光旅行者数は、今年の国慶節連休中は80人であるのに対し、連休後は200人になっているそうである。

今回の連休の売れ筋

ゴールデンウィークは、さまざまな販促キャンペーンが行われることもあり、買物の面から見ても一大消費期間となっている。国慶節の連休期間中の小売・外食などの主要店舗の売り上げ総額は、中国全土で2700億人民元(日本円で約4兆500億円)、上海市で31.58億人民元(日本円で約473億円)にのぼり、昨年と比べると、それぞれ14.2%、22.8%の伸びとなった。

上海市及び中国商務部の調査によると今回の国慶節の商戦については次のような特徴が見られたそうである。

  1. 高級品、有名ブランド志向
    上海市では、デパートや高級ブランドの専門店が大きく売り上げを伸ばした。例えば、上海久光百貨(上海そごう)では売り上げが昨年度比108.2%増、虹橋友誼商城では69.6%増となった。また、海外有名ブランドの専門店も人気で、高級服飾のアルマーニでは33.3%増、アクセサリーのスワロフスキーは66.7%増となった。
  2. 家電品が人気
     価格競争を繰り広げる大型家電チェーン店が大々的な販促キャンペーンを行ったこともあり、昨年よりも売り上げを25~30%伸ばした。売れ筋は、プラズマテレビ、多機能携帯電話、500万画素以上のデジタルカメラ、全自動洗濯機、両開きの冷蔵庫、インバーターエアコンなど。
  3. 健康、安全志向が流行
    大型スーパーでは有機食品が、家電品では環境に配慮したものや省エネ型のものが、自動車では、排気量の小さい小型車が、旅行では郊外の農村への小旅行が人気を集めた。

出典:

  • NNA中国総合版(10月10日)
  • 新民晩報(10月8日)東方ネット(10月8日)
  • 商務部新聞弁公室プレスリリース「十一黄金周市場繁栄穏定」(10月8日)
2005年11月8日
福島県上海事務所
大島 康範
(本文は、グローバルふくしま(NO.102)に寄稿掲載したもの)