~「福島GALLERY」~  県産品の販路拡大の基地

福島県では、県産品の海外販路開拓・拡大を支援するため、9月に中国上海市にチャレンジショップ「福島GALLERY」を仮オープンさせ、10月末に正式オープン予定である。

福島GALLERYは、県内企業の上海での①新規参入の支援(輸出に挑戦しやすい環境を整備)②販売促進支援(新たな取引を増やす、販路の拡大)③ブランド化支援(安心・安全等の付加価値を積極的にPRする)を目的に、県産品を見て、味わってもらい、中国の多くの貿易業者、飲食店関係者などと商談ができる上海での最前線基地として設置したものである。

取扱商品は、主に食品、工芸品など約100品目。福島県の地酒は、11蔵元が自慢の地酒を出品している。その他、味噌やお菓子、麺類等が今後入荷予定である。

販路開拓専門員

福島GALLERYの特徴のひとつは、「販路開拓専門員」が配置されていることである。

販売開拓専門員は、出品されている福島県産品を上海市内の貿易関係業者、ホテル関係者、飲食店関係者などにPRを行ない、販路の開拓に努めることが業務である。

福島GALLERYでは、直接一般消費者への販売はできないが、販路開拓専門員が貿易業者やレストラン飲食店等へ業務用として商品の紹介をし、商談が成立した場合は、レストランや飲食店関係者が、直接輸入業者と商品の売買を行なう仕組みとなっている。販路開拓専門員はいわば、福島県産品を輸入する各中国貿易会社の「営業マン」的な役割を果たすこととなる。よって、福島GALLERYの成否の鍵を握るのは、この「販路開拓専門員」にかかっているといっても過言ではない。

販路開拓専門員として活躍しているのは、趙 洪顕さん。中国吉林省出身で、日本の大学に留学、大学卒業後中国に戻った日本をよく知っているたいへん頼もしい人材である。

趙さんの仕事への意気込みについて聞いた。

「福島県の特産品は個性がある商品が多いように感じます。味付け味噌やマグロの加工品などは中国人にも受け入れられると思います。」「ただ、少々残念なことは、商品の品数が少ないことです。まずは、日本酒から販路拡大活動を開始して、徐々に他の商品にも広げて行きたいです。日本酒は、韓国人にも好まれると思います。韓国にも「清酒」というお酒があります。日本人や中国人だけではなく、上海に暮らす韓国人などアジアの人々のマーケットも視野に入れてゆきたいです。」「福島GALLERYを訪れる中国人の中には、工芸品に興味を持つ人もいます。福島の伝統工芸品特に色使いが華やかなものはいいと思います。」

趙さんは、福島県産品の販路拡大に意欲満々である。

今後の取組みと課題

しかし、中国での販路拡大には様々な問題があり、クリアしなければならない課題が多いことも事実である。 第一に価格の面である。福島県の物産品は、関税や物流コストの関係上価格が高くなる。しかし、商品は安全、安心の日本福島ブランドの商品であり、中国商品と比較しても付加価値がある。安売りするのではなく、「ギフト商品」としての販路拡大も考えられる。

上海に進出している日系企業は約5,000社、上海商工クラブ登録企業だけでも1,500社あるため、会社用のギフトとしての市場もひとつの魅力的な市場であろう。 

第二に品揃え。上海のレストラン関係者からは、「上海で調達できる日本食材の種類が少ないので、新しいものが入ったら是非とも紹介して欲しい。」と常々言われている。

このため、福島GALLERYの取扱商品も、常に新しい物の提供、提案が必要となってくる。 今年は福島特産である「果物」の入荷ができなかった。理由は、種々あるが、日本の生産体制や輸入業者の要求が厳しいことなどなど。

障害を少しずつ取り除き、品目数を増やす努力をし、また定番化した商品を安定して供給できる体制の構築を行なうことも必要である。

最後に予期せぬ事態への対応。今年9月には、上海市などで日本製の味噌、冷凍秋刀魚、カレイなど二十数品目から中国の基準値を超える有害物質が検出されたとして、中国政府は、販売禁止などの処分を行なった。 このため、中国当局の通関がこれまで以上に厳しくなり、多くの商品の検査に多くの時間を費やす事態となっており、一部の貿易業者は、日本食品の輸入を一時見合わせる事態も起きている。

このように2国間、とくに日中間では、政治的問題等により経済活動に影響が出ることがしばしばある。これらのこともリスクとして認識し、業務を進める必要があるだろう。

24㎡というスペースは本当に小さい。中国ビジネスでは、「小さく生んで、大きく育てる」のが大切という。この小さなプラットホームがいずれ大きなターミナルとなる日が来ることを信じたい。

2006年9月30日
福島県上海事務所 安達 和久

「福島GALLERY」

場所:中国上海市栄華東道119-6号  巴黎経典C単元102室
(上海市古北地区、カルフール古北店近く)
電話:021-6295-2848  FAX:021-6295-2856
営業時間:午前9:00から午後5:00 (月曜日から金曜日)