ふくしまの未来へ 2015

ふくしまの未来へ 2015
~3月11日知事メッセージ~

『祖父は友達を助けるために、海へ向かって車を走らせた。
今でも後悔しています。
私が止めていたら、助かっていたのではないのかと。』
―――ある高校生の後悔

 『震災から何日かたって初めて、原子力発電所の話をお父ちゃんから聞きました。
お父ちゃんは1か月分の新聞を全部とじて、大切にしまいこみました。
「大きくなった時に出して見てくれよな」と言いました。』
―――ある小学生の体験

 12万人の県民がふるさとを離れた地で、5度目の春を迎えようとしています。
 私たちは、風評の固定化と記憶の風化という、目に見えない困難や不安と戦っています。
 失ったものは戻らず、悲しみは消えない。
心の溝が埋まらず、地域の分断や孤立化も生じています。

 一方、ふくしまを照らす光が、少しずつ大きくなってきました。
復興の追い風となる常磐自動車道の全線開通、
ふくしまの美しい自然を取り戻すための研究拠点の整備、
地域の宝を生かした教育旅行の再生も始まっています。
 これまでの県民の皆さんのご努力に、心から敬意を表します。

 『私は、今年新設される「ふたば未来学園」を志願しています。
  将来は少しでもふくしまが元気になる仕事に就きたいと考えています。』
―――ある中学生の夢

 『県民の中には今でも、一緒に暮らせない家族がたくさんいることを忘れてはならない。
  私は、家族でずっとふくしまを応援していく。』
―――県外の方からの励まし

 私たちは、多くの方々の温かいご支援への感謝を胸に刻み、
夢や希望の実現に向け、自分の足で立ち上がり、一歩ずつ前に進んでいかなければなりません。
 廃炉作業の拠点となったJヴィレッジを、
緑輝く美しいグラウンドに戻す取り組みが始まったように、
ふくしまの復興は新たなステージに進もうとしています。

 復興の歩みをより確かなものにするため、必要なものは何でしょうか
それは、私たち一人ひとりが、未来にむかって挑戦していくことだと思っています。

 私の復興に向けた挑戦は、
県内原発の全基廃炉を求め、再生可能エネルギー先駆けの地を創ること。
世界の叡智を集め、除染・廃炉技術、医療機器・ロボット開発などを進めることで、
世界に貢献していくこと。
子どもたちの笑顔が輝く環境を整えること。
県民一人ひとりが、ふくしまに生まれたことを誇りに思えること。

 『ふくしま創生の物語が、今、始まる。学ぶことこそが、未来を創造する。
  学ぶことによって私たちは、未来とつながる。』
―――ある教師の決意

 ふくしまの未来を創るため、今こそ私たち県民が強さを見せるときです。
 どんな困難なことにも力を合わせて挑戦し、あしたのふくしまを切り拓いていきましょう。

   平成27年3月11日

福島県知事 内堀 雅雄