2009年度インターンシップ研修実施報告(渡邊さん)

福島県関係者(大学生)のインターンシップ研修を下記のとおり行いました。
当事務所の業務を通じて実務研修をし、レポートを書いていただきましたのでお知らせします。

氏 名:渡邊 香
年 齢:21歳
出身地:伊達市
大 学:宇都宮大学 (寧波大学留学)
受入期間:2009年8月3日(月)~14日(金) 

20090813watanabe.jpg 

 

 

 

 

 

 

福島県上海事務所インターンシップを終えて

渡邊 香 

 このインターンシップに参加したことで、私の経済都市としての上海に対する認識は、根拠のない主観的な見方から、少し冷静な見方へ変わったと思う。最初に上海に着いて強く印象に残ったのは、2010年の万博を控えた華やかで勢いのある雰囲気だった。特に私は日本から直接ではなく、浙江省寧波市での留学を経てから上海に来たため、上海の発展は突出していて、ビジネスチャンスもたくさんあり、海外の企業が続々と進出していると感じた。しかし中国進出を検討されている日本企業の方にお会いして、現在はまさに進出するという時期だけでなく、すでに進出している企業との差を縮める、もしくはすでに成功している企業と比較して、進出を検討するという段階でもあると感じるようになった。実際に、日本人の方の経営による工場を見学させていただいたが、そこと同程度の手作業による高級ニットを、他の企業が上海で生産するにはもう難しいとのことだった。海外企業の進出が展開されると同時に、すでに淘汰も生き残りをかけた競争も始まっていると実感するようになった。
 インターンシップ期間中は主に、政府機関の資料を使って中国各地の経済統計を調べたが、そこからは中国経済の発展を客観的な数値としてみることができた。ただ調べると一口に言っても、中国語であるということと、中国の具体的な機関名、必要なデータの掲載場所についての予備知識がなかったため、想像以上に十分なデータを集めることは簡単ではなかった。ヒントとなる資料をいただいてやっとすべてが集まり、不案内な中国のサイトで情報収集する難しさを実感した。また、中国上海という地でのインターンシップとして、上記にもある日本人の方の経営する工場を見学できたことが、中国進出とはどういうことかを自分なりに解釈するうえでとても参考になった。中国で成功するにはどんなことが必要だったのか、高級志向の高まりなど、市場がなにを求めているのか先取りすることの重要性などが、経営者の方から直接語られることによって、文章で得る情報よりも深く印象に残った。特に、日本の工場はそれぞれのプロ個人が円のようであって、重なり合う部分があるが、中国のそれは、四角のようであり、一部重なっても必ずすき間が生じるというお話があった。「プロとプロの間のすき間を埋めるのが日本人の役割」というその言葉が、今の上海の中国人従業員と経営側の日本人の関係を反映している、経験に裏打ちされたものだと思った。その他にも、高い技術を持った職人の安定を図るためには、ある程度の金額を払わなければならない、しかし信頼して仕事を任せすぎても、ほかの従業員と顧客を連れ独立してしまうという事態も起こりうる。こういった何度も経験した上での知識を拝聴するのはとても意義深かった。
 参加させていただいた2週間の間に、本当にさまざまな目的を持った人たちが福島県上海事務所を頼りにしていると実感した。実際、事務所とその活動は、日本と中国のさまざまな媒体に取り上げられ、その活躍が評価されている。そして市村所長、中村副所長、齋藤副所長からは、上海事務所の仕事に関することはもちろん、「働く」ということに対する姿勢を多くの面から教えていただけた。就活を経験しないうちに留学してしまった私にとって、就職というのはイメージの域を超えなかったが、インターンシップ開始3~4日目辺りからは、帰国してから自分が何をすべきかが自分の中でより明確になってきた。日本で経済誌を読んだことがなかったが、常にアンテナを張って新しい情報を得るということは非常に重要であると痛感したし、パソコンも詳しいに越したことはないと思った。5年後、10年後の自分がどうありたいか想像して、そうなるために何をすればいいのか具体的に考えるようになった。また事務所の中国人スタッフの方々の、同世代ながら日本語を駆使し、適確に仕事を行う姿は、自分も仕事を始めたらこうなりたいという目標になった。帰国後自分の進路を考える上で、このインターンシップから受けた影響は大きいと思う。仕事の雰囲気を体験できたことはもちろん、大学生のうちに留学だけでなく、海外でインターンシップまで受けさせていただき、就活だけでなく人生においても貴重な経験となったと思う。