2009年度インターンシップ研修実施報告(佐原さん)

福島県関係者(大学生)のインターンシップ研修を下記のとおり行いました。
当事務所の業務を通じて実務研修をし、レポートを書いていただきましたのでお知らせします。

氏 名:佐原 輝明
年 齢:21歳
出身地:安達郡大玉村
大 学:国学院大学

受入期間:2009年8月24日(月)~9月5日(土)

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福島県上海事務所インターンシップを終えて

佐原 輝明

はじめに
 福島県上海事務所は県初の海外事務所として、福島県-中国間の経済交流を促進する役割を担っている。私は県の機関という公的な立場から経済交流に関わる仕事があるということについて興味を持ち、インターンシップを申し込んだ。
 期間中には、主に中国人観光客誘客のための広告、PR活動業務に関らせていただいた。以下ではそのことについて振り返っていく。

旅行プラン作成に関わって
 貿易や企業誘致と並び、観光事業も経済交流の重要な要素である。上海事務所では1999年に開通した福島-上海間の定期航空便を利用し、中国人観光客の誘致に力を入れている。今回のインターンシップではその一環として、上海人観光客向けの旅行プラン作成を行った。
 一般旅行客向けの旅行を企画するには、標準的でなおかつ多くの顧客のニーズを満たすようなプランを考案する必要があるし、行き先としてどの要素を重視し選択するかは、中国人観光客が日本旅行に求めるものの把握に加え、各地の特長、名産に関する知識を備えていなければ難しい。旅行プランの作成にあたって、私はまずインターネットやパンフレット等で得た情報を比較し、中国人の日本旅行に対するニーズの分析を行った。調べる中で、中国人の日本に対する都道府県別の認知度や、やや強硬とも思われる旅行スケジュールでも名所を多くめぐるプランが好まれることなど、今まで知らなかった様々なことがわかってきた。これらは日本側の視点からは見えてこない事実だ。
 次に、福島県について詳細に調べた。福島の魅力を誰にどのように伝えるのか、何が必要で今すべきことは何なのか。そのためにはまず私自身が福島県というものをよく知る必要がある。出身県でありながら初めて知ることが極めて多く、自国を売り込むためには、まず自分が誰よりも自国を知ることが必要であるということを痛感した。
 もちろん、企画として提案をするにはデータを提示するだけでなく、さらにそこから読み取れるもの、必要なものを聞き手が納得できるように説明しなくてはならない。立案のために考えるべき内容は路線の時刻確認、各種旅行用品のレンタル調べ、果てはポスターの文字配置にまで及んだ。このような作業のように、経済交流という言葉とは程遠く感じるような地味な仕事が実は現場にあり、土台を成しているということも、まさにインターンシップを通して経験してみて初めて分かることであった。
 出来上がった企画は全く拙いものだったが、どうにか4種類のプランを作成し、提案ができた。僅かではあるが、このことは自分の中の一つの自信となった。

上海夏祭りに関わって
 インターンシップ最終日には上海の大学生に日本文化を伝えるために、日本式の夏祭りが行われた。事務所からも出店することが決まっており、インターンシップの締めくくりとして私も参加させていただいた。
 当日私が最も驚いたのは、参加した数百人の大学生の中で、かなりの数の学生が日本語を話せていたことだ。仮に日本で同様のイベントを行ったとしても、この水準の語学力を持つ学生はなかなか集まらないだろう。日本という文化は思っていた以上に浸透し、受け入れられているということを直に知ることができた。
 また、この夏祭り自体は決して大きなイベントではないにも拘らず、出店していたのは錚錚たる日本の大企業ばかりだったことも初めは不思議に思った。広告のためとはいえ、普段は経済の最前線にいる方々がテントを張り、焼きそばやかき氷を作っているのはある種異様な光景である。しかし、聞けばこのようなイベントも社交の場であり、ちょっとした会話からもビジネスチャンスが生まれるのだそうだ。雰囲気こそ和やかなものであったが、そこには他社に遅れまいとする企業の努力があり、競合があった。経済都市上海の縮図を垣間見た気がした。

おわりに
 事務所の仕事は毎日が激務である。加えて、日本では考えられないような問題も次々発生し、お世話になった2週間も嵐のように過ぎていった。しかし職員の方々はそれに動じることなく、着実に仕事をこなしていた。それぞれが観光・貿易・通訳など、その分野のプロとして仕事をする姿に、私は非常に大きな刺激を受けた。社会に出て仕事をすることとは、このような人たちと競っていかなくてはいけないということである。それを学生のうちに体で感じることができたのは貴重な経験になったし、このように有意義なインターンシップの機会を得たことは、私にとって大変な僥倖であった。

 最後に、お忙しい中時間を割いて丁寧にご指導してくださった市村所長を始め、職員の方々、温かく迎え入れてくださった全ての方々に、心より感謝の意を述べたい。